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※「きしゃにちゅうい」-- 「汽車」の描かれた「踏切注意」の標識 --
2014-03-09(Sun) [長年日記]
_ [Rail] ドコモdビデオCM「駅編」:いすみ鉄道で「にいはま鉄道田浦辺駅」探訪
2月末あたりから放映されているドコモdビデオのTVCM「駅編」。 後半で「田浦辺(たうらべ)」という駅名票が映るがそんな駅は実在しない。ロケ地はどこだろう?千葉のローカル私鉄のどれかが怪しい、と思ってネットで探してみると、まさにその駅の利用者と思われる方のTweetが見つかった。
ふとテレビをつけたら、ドコモのCMでキハ52が出ていて驚き
見覚えのある新田野駅改めて田浦辺駅出てて
更に(((゜Д゜;)))驚き pic.twitter.com/J4wBJxPVv9
— जुना मनुष्य(マナティー) (@Mr_sawachan) 2014, 3月 2
いすみ鉄道 新田野駅とのこと。TVCMには国鉄急行色のディーゼルカーがちらっと映るが、いすみならまさにキハ28*1を運転しているのでこれはかなり信憑性が高い。ちょうどどこかに出かけてみたい気分だったので、撮影地を探しに現地に行ってみることにした。とはいえ、茅ヶ崎からいすみといえばちょうど東京湾の向こう側。行くとなればそれなりに時間もかかる。特急での往復や金谷航路の利用も考えたが2月〜3月は財政が厳しい時期でもあり、「休日おでかけパス」(2,600円)[jreast.co.jp]を使うことにする。この切符のエリアは外房線・茂原まででいすみ鉄道と接続する大原駅までは別途料金(大人400円)がかかるが、茅ヶ崎〜大原間の片道料金は2,520円なのでそれでもかなり割安。もうすぐ小学校を卒業する長男は、おそらくこれが「最後の小児料金の旅」になるだろう。
東京での昼食も含め茅ヶ崎から5時間、東京湾をぐるっと回って外房に出て、 たどり着いたいすみ鉄道新田野駅は、目の前に刈り取られた田んぼが広がるのんびりした風景の中にあった。 CMの印象から山の中の人気の少ない場所を想像していたが、すぐ横には国道465号線が通っており行き交う車も多い。人家も少なからずあり無人駅とは言え「秘境駅」ではない。
おそらくこれがCMで使われた駅のホームと駅名票の場所。生垣の切れ目は ホームに出入りする際に常用されている所だが、CMでは白い柵でふさがれ前に ベンチが置かれていた。
CMの中の「田浦辺」駅名票は色や書体に違和感がないうえ、 エイジングも程よく自然に決まっていて美術担当の力量を見せつけられた感じだったのだが、 実物の新田野の方はかなり傷んでいる。支持している枠も錆びてぼろぼろで、 よく撮影時に壊れなかったものだと思わせる状態。特徴ある色遣いの駅名票なのだが、 この先大丈夫なのかすこし心配。
CM冒頭のトラクターと踏切のシーンは、新田野駅付近から上総東・大原方面に向かって撮られたもののようだ。CMの背景に写っている踏切はおそらくNo.18高崎踏切。実はCMから受ける印象で、冒頭部分は「踏切を渡った後のシーン」だと思い込んでいた。そのため現地でも撮影場所がわからなかったのだが、帰宅後左の写真を見てあのシーンが線路と平行に歩いていることに気がついたのだった。
写真は新田野駅と高崎踏切を背に上総東・大原方面を撮影したものだが、山の形や背景に写る家などからCMの冒頭部分と近いことがおわかりいただけると思う。
いすみ鉄道といえば車体色の由来でもある菜の花。まだ早咲きの花が咲いている段階で見ごろには早かったようだが、それでもあちこちに咲いていた。
dビデオのCMにもちらっと登場したキハ28 2346。キハ52とともに急行運用中。
つい最近国鉄色から首都圏色に塗り替えられたばかりのキハ52 125。こうして見ると昭和末期に戻ったような懐かしさ。
この車両の登場時「いすみがレトロ調デザインの車両を作った」と聞いて「またダブルルーフもどきに金線入りのえせレトロ車両*2が増えるのか」と勘違いしていたのだが、いすみの社長ブログに掲載された「まさしく昔の国鉄キハ顔の正面」に脱帽せざるを得なかったのだった。やっとその実車を見て、乗車することもできた。国鉄キハ顔に軽快気動車の側面、なんだかよくできたフリーランスの模型のようだが実物車両である。
新田野駅滞在は約1.5時間。観光をするわけでもなくただ駅の周りで写真を撮ったり菜の花を眺めたりしながらぶらぶらしただけ。得られたのは「ドコモdビデオのCMの撮影場所はいすみ鉄道新田野駅」をこの目で確認できたということだけ。だが、いつか行きたい、と思ってなかなか実現できないでいたいすみ鉄道に乗る機会をつくるいい後押しにはなったわけだ。
駅のほかに娯楽施設も何もないところに連れてこられた子供たちはいい迷惑かな、と思ったが、普段と違うところで駆け回れたのでそれなりに楽しんではいたようだ。何もないにもかかわらず、長男はもう少し長く新田野駅に居たかったそうだ。