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※「きしゃにちゅうい」-- 「汽車」の描かれた「踏切注意」の標識 --
2008-06-08(Sun) [長年日記]
_ [Rail] 伊豆箱根鉄道 大雄山線
次男が水ぼうそうになった。長男を「逆隔離」するためにいつもよりちょっと遠出することにした。久しぶりに伊豆、とも考えたが、さすがに少し遠すぎるので、行き先は以前から気になっていた伊豆箱根鉄道 大雄山線に決定。小田原・箱根エリアと言えば超メジャー級の「箱根登山鉄道」があるためか、個人的にはこの大雄山線は非常に印象が薄かった。TVKの「電車にのって」で最後に取り上げられたのがこの大雄山線だったので、一度は乗ってみたい、という気はあった。が、沿線に箱根に匹敵するガイドブック的な観光地がないこともあってなかなか行動に移せないでいたのだ。次男には申し訳ないが今回はちょうどいい機会であった。
車窓は途中東海道線・小田急線の下をくぐる以外特に目立った特長もなく、平坦な田園風景の中を淡々と走る印象。しかし駅間が短いため、すぐに飽きると言うことはなかった。特に小田原の駅を出てすぐ、「非常停車か?」と思わせるほど近い位置に駅があったのにはびっくり。小田原〜緑町駅間はわずか400mだとか。ちょっと模型的。途中、田んぼで子供たちが網を持って何かを捕まえていた。茅ヶ崎も田舎だがこういうシーンはあまり見かけない。
乗った車両は18m級のステンレス車3連。模型で楽しむのに手頃な長さ。車端部の窓がドア間の窓と同じ長さだったり*1、車内の一部だけ転換クロスシートだったり、一見普通の電車のようで いて意外と個性的な車両という印象を受けた。
*1 一般的に、電車では編成でのドアの間隔を一定にするために車端部の窓は小さいことが多い。今回乗車した大雄山線の5000系のドア間隔がどうなっているのかは未確認。
_ [Home] 「夕日の滝」
終点・大雄山についたがいつもの通り「電車に乗るのが目的」なのですることがない。とりあえず駅前のビル裏にあったそば屋*1で腹ごしらえ。テーブルにあった地元の観光マップをみていると、長男が「ここにいってみたい」と滝の写真のページを指さした。「夕日の滝」というらしい。結構な山の中のようだが近くまでバスがあるようだ。この日は早く帰る必要もないし、ということで行ってみることにした。滝の最寄り「地蔵堂」バス停行きのバス(箱根登山バス)は駅の横のバスターミナルから出発。市街地を抜けどんどん山の奥に入っていく。人家が完全にとぎれるほどではないものの、ずいぶん山奥に連れていかれた気分になり、親子ともちょっとわくわく。終点・地蔵堂は実際かなり山の中で、滝はさらにここから15分ほど上ったところだという。
山道とはいえ舗装された道を歩いて上る。そこそこ急ではあるが長男も苦にしていない。途中、なにげなく田んぼをのぞくとなにやら動いている。小さなオタマジャクシだった。気をつけてほかの田んぼを覗くと別な種類のもっと大きなオタマジャクシが卵塊の周りにうようよいた。大雄山線の車窓から見えた子供たちはオタマジャクシを採っていたのかもしれない、とここでやっと気がつく。はじめてオタマジャクシを見た長男も大喜び。聞くと、長男は実物の蛙をみたことがないという。茅ヶ崎でも夏に川のそばを通ると牛蛙の低く大きな声が聞こえるが、日常自宅周辺でふつうに見かけるものでもない。パパは子供の頃からよく見たぞ、と言い掛かったが、思い返すとそれは渓流釣りが好きだった父が一緒に山に連れていってくれたので見ることができたもので札幌市内の日常生活で見かけたわけではない。自然の生き物はこうやって親が子供を自然の中に連れていかないと見ることができないのだなぁ、と少し反省。
そんなことを考えながら上るうち、だんだん田んぼや畑も少なくなり、本当に山の中らしくなってきた。長男は気づかなかったようだが、狩猟が行われているのか狸の毛皮が干してあったりしてちょっとびっくり。妻がいたら絶対見せられない光景である。道がますます細くなってきたなぁ、と思い始めたあたりで、やっと目的地、夕日の滝に着いた。
大瀑布、というわけではないがなかなか趣のある風景の滝で、長男もここまで自分の足で歩いてきて目的が達成されたので満足げ。しかし帰りのバスを逃すと大変なことになりそうだったので、少し河原で遊んでから山道を地蔵堂に向けて下ったのだった。
ちなみに滝の名前は、年に一度、夕日がこの滝の上にかかることから来ているとのこと。
*1 「はつ花」という店だったが、結構うまいそば屋だった。