※湘南ライナー・おはようライナー新宿・ホームライナー小田原 時刻表 はこちら(令和2年3月14日改正まで)
※「きしゃにちゅうい」-- 「汽車」の描かれた「踏切注意」の標識 --
2007-10-01(Mon) [長年日記]
_ [misc] 深夜のアイロン
この日の早朝に発生した地震は箱根町で震度5強を記録したものの、全体としては大きな被害がなく幸いであった。それでも茅ヶ崎では結構長い時間揺れを感じたので起きてテレビを付け、震度を確認した。
一番対応が早かったのがNHKで、震源が箱根であること、震度5強の地域があったことがすぐ分かった。しかし続報はなかなか入らず、第一報の内容を繰り返すのみ。そのうち他局が少しずつ地震情報を伝え始めた。ある局は小田原駅の新幹線ホームに向けたカメラで捉えた地震発生時の映像を流したが、地震発生と同時にホームがぱっと明るくなったように見えた。「地震発生時にはホームの明かりをフル点灯する」仕組みがあるのか、それとも情報カメラ側で調節したものなのかは分からない。深夜帯なので営業運転は終了しており、通過線に黄色の回転灯を点灯させた工事用車両が止まっているホーム映像を見ているうちに、今度は箱根登山鉄道が心配になってきた。しかし「湯本を映せ! 強羅はどうした! いや、出山は無事か!」とテレビの前でやきもきしたところでそんなところに都合よく情報カメラがあるわけもなく、「どうやら震度の割には大した被害は出ていないらしい」ということを確認してまた寝床に戻った。
ところで。
ある局では震度の情報の合間に「地震で一番怖いのは火災です。」と火災に対する注意喚起を挟んでいたのだが、その中で「ガスの元栓や、アイロンのコンセントを抜くなど火の元には・・・」と言っていた。
多分、地震発生時のテンプレートがあるんだろうな。少なくとも、深夜早朝帯の2:30頃アイロンがけをしていた箱根町民は極端に少なかったであろうと想像されるのだが。いや、新幹線通勤圏内でもあることだし、「また今日もこんな時間だよ・・・」とこぼしながらスーツのズボンにアイロンをかけていたサラリーマンがいないとも限らない、か。
_ [Liner][Rail] 地震の影響でライナー12号・14号運休
箱根登山鉄道の心配をしていたら、地震の影響はいきなり自分に降りかかってきた。下半期初日、かつライナー券10月分初日からライナー12号運休。発車予定だった8:15頃は東海道線が最大40分遅れだったとかで茅ヶ崎駅はホーム入場規制がかかっていた。後から駅に到着した妻と合流して、ホームが空き始めた頃合いを見計らって東海道線で出社した。茅ヶ崎の相模線車庫にはライナーに使われるはずの215系がそのまま留置してあったので、8号など他のライナーも運休したのかもしれない。結局会社には10分遅れで到着。ライナー通勤していると「次は誰が降りそうか」を嗅ぎ取る勘が大幅に鈍るのであるが、大船から座れたのはラッキーだった。
※追記:ライナー14号は運休にならなかったとのご指摘がありましたのでタイトル訂正いたします。(私が普段乗っている12号以外の運転実績は未確認です。)
_ [misc] フェルメール展
乃木坂の国立新美術館に「フェルメール 「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展」を見に行く。妻が数日前に見に行ったので感想を聞くと、「フェルメールがいかに才能があったかが分かる展示」
との返事。フェルメール作品は一点だけで、後の作品が完全に「引き立て役」にしかならないレベルということだ。いや、それはちょっと他の画家に失礼じゃないか?
そんなわけで、とりあえずフェルメールの「牛乳を注ぐ女」が見られれば満足、と言う気で足を運んだのだが、
展示前半の庶民の生活を描いた作品群は題材としては漫画的なところもあっておもしろいのだが、画面にたくさんのものを詰め込みすぎて雑然とした印象が先行する。白い壁を背景に牛乳を注ぐ女一人だけを大きく描いたフェルメール作品からうける強い印象とは比べものにならない。また、後半には「フェルメールを意識した」「影響を受けた」と注がつく作品が多数展示されているが、そりゃあ意識はしたかもしれないがまだまだ及びませんね、と言った感じしか受けなかった。主催者側としてはせっかく借り受けたフェルメールになんとか関連づけて多数の展示を行いたかったのかもしれないが、残念ながらフェルメールの一枚だけ圧倒的に格上で、そのような注記がかえって空しかった。
さて、その「本日の一枚」フェルメールの「牛乳を注ぐ女」だが、テレビや印刷物などで見慣れているにも関わらずやはり実物は美しかった。興味深い点としては、先ほど挙げた背景の白い壁が、実は当初は何か別なものがかかれる予定だったということ。地図なのか、暖炉なのか、ともかく白壁ではなかったらしい。それを途中まで描いて、結局塗りつぶして白壁にしたのだそうだ。白壁でなかったら、もしかしたらこの絵も雑然とした印象の「凡作」になっていたかも? それでも、この白壁には打たれた釘とその釘が落とす影までが描かれているし、裾部分にある焼き物のタイルも美しい。妻はテーブルのパンの描写がすごいと言っていた。私は、窓が一部壊れているのを見てにやっとした。絵のメインである女性に注目せざるを得ない構図ながら、それ以外の細かいところもちゃんと描き込んでいる。
しかし一方で、かなりプランを練って描いたであろうフェルメールにしてはおかしいところがある、と教えてくれたのはこの展覧会の収穫だった。手前のテーブルが、遠近法のルールから外れているのだという。言われてみれば確かにそうなのだが、言われないとそう違和感がなかったりするから自分の目もいい加減なものだ。もう一つ興味深かったのは「テレビ」。この遠近法や先ほどの「白壁」に関する部分を含むビデオが壁に掛けられた薄型テレビで流されていたが、最近のディスプレイの美しさはすごいな、と思った。実物の展示を見る前だったせいかもしれないが、思っていた以上に高精細だった。この分なら、「高精細ディスプレイで美術展」も決してできないことではなさそうだ。もちろん実物を見るに越したことはないが、滅多に借りられない絵画を一堂に会して、普段できない展示趣向を実現する手段としてはありかもしれない。
なお、最後にこの俺、いろいろ言ってきたが、美術に関する知識は全くの素人だ。作品の評価基準は「自分が好きか嫌いか」「ピンときたかどうか」でしかないので、美術の素養のある方は笑ってやり過ごして頂きたい。
_ [Rail] 207系900番台に乗った。
国立新美術館は東京メトロ乃木坂駅直結なので、千代田線を利用。なんとラッキーなことに207系900番台がやってきた。鉄分の薄い方には何がラッキーなのか分からないだろうが、この「207系900番台」というのは試作編成で、一本しか存在しない*1。そのたった一本が狙ったわけでもなく偶然にやってきてそれに乗れるのだからラッキー、なのである。
外観はまぁ簡単に言ってしまうと「前面扉付き205系」だが、その扉のために「ちょっと安っぽいロボット」のような愛嬌のある前面になっている。国鉄のVVVFインバータ制御試作車としての役割も課されていた編成なのだが、先頭車に乗っていたため「歴史的インバータの音」は残念ながら聞けなかった。なお、この編成は遠からず、同じく千代田線・常磐線を走っている203系とともに新型車両(E233系)に置き換えられることが決まっている。
*1 結局国鉄はこの207系の量産を見送ったので、試作編成一本だけの存在である。207系量産車、というのはJR西日本で多数活躍しているが、名前が同じなだけでこの207系900番台を基本にした量産車ではない。
はじめまして、いつも楽しく拝見させていただいております。<br>実は私、今回の地震をまともに喰らった茅ヶ崎駅員です。<br>その節はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。<br>この日はまともに走ったのは24号だけで、14・16号は大幅遅れで運転されました。<br>小田急・登山・東海道新幹線が平常運行だったのに、東海道だけ大混乱というのは働く我々としても、会社にはやく地震計のさらなる増設と規制区間の短縮を進めてもらいたいところです・・・。
ふくのじさん、不正確な情報を流してしまい申し訳ありませんでした。ご指摘感謝いたします。
http://tishida.sakura.ne.jp/diary/?date=20071102#p02<br>TIP! on tDiary<br>[Liner][Rail]10月分ライナー運休による払戻し<br>茅ヶ崎駅には10月1日の地震の影響で運休となったライナーの払戻しについても掲示が出ていた。払い戻し対象は以下の通り。<br>湘南ライナー2,4,6,8,10,12号<br>おはようライナー新宿22,26,28号<br>茅ヶ崎始発のおはようライナー新宿24号は運休にならなかったようだ。